タバコ型菓子といえば不二家「シガレットチョコレート」やオリオン「ココアシガレット」を思い浮かべる人が多いだろう。だが今回とりあげるのはそういう有名菓子ではない。

 鎌ヶ谷市のニッポーという会社が発売しているチョコである。品名は不明。パッケージの文字サイズから判断すれば「CHOCO WILD」かもしれないが、違う気もする。

 セブン−イレブンで200円で売っているのを見かけた私をレジへと向かわせたのは、そのタバコ型のデザインではない。パッケージ側面に記された小文である。「この商標はJTと合意しています」。そう。ニッポーはこれを発売するにあたり、わざわざ日本たばこに話を通していたことが窺えるのだ。

 これが「マイルドセブンチョコ」とか「キャスターキャラメル」なら許諾を求めるのは当然だ。しかし、たかだかこの程度のへなちょこデザインである。しかも「CHOCO WILD」である。ひいき目に見てもせいぜい「タテに仕切った部分がマイルドセブンにチョコっと似てるかな、いやでもそうでもないか」という程度のものである。恐らく相談されたJTも品を見て拍子抜けしたに違いない。似具合にとらわれず律儀に筋を通そうとした発売元に脱帽だ。思い切って「ニッポーさんにはシャッポーを脱ぐね」と書いてもいいぐらい。(この項おわり)


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