ジューC。カバヤの地元・岡山県出身の人にはお口のふるさと的な菓子だろう。岡山県出身でなくても、こどもの頃一度は口にした懐かしい菓子だろう。発売は東京五

輪の年。薬の錠剤のような形の錠菓としては元祖的な存在だ。その甘酸っぱさは勿論、「ジューシー」の発音にあえてアルファベットの「C」を起用した小粋なネーミングも、こども心を大いにくすぐったものである。

 この懐かしいジューCが、発売後30年以上を経た現在も健在だ。市松模様の中に円を配したケースのデザインイメージも変わってないし、ラムネよりもツバで溶けにくい食感も変わっていない。

 だがフタは変わった。ただのフタ機能にとどまらぬ連結機能を身につけた。深い切り込みがつき、容器の底部分をはめこんで固定できる「つながるキャップ」を導入したのだ。複数の容器をつなげて遊べるのだ。こどもが大好きな合体メカだ。無理していえばレゴだ。

 容器をゴミにせず、こどもの好きなおもちゃとしても使ってもらおうというカバヤの親心が伝わってくる。一個でなくたくさんのジューCを買わせてしまおうというカバヤの下心も伝わってくる。やはり甘酸っぱい菓子である。(この項おわり)




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