箱には物語が記されていた。「ある日かぼちゃとにんじんとほうれん草の畑に仲間とはぐれた流れ星の子が落ちていた。可哀想なのでかぼちゃたちは星の子を畑に植えて育てた。翌日、畑の野菜は全て星の形になっていた」というもの。最後は「親切にしてくれたお礼だよ」という流れ星のセリフで締めくくられる。
一見流れ星の恩返しストーリーに思えるが、実はこれは恐怖の地球侵略宣言だ。かぼちゃたちは種の特質を一夜にして変質させられた。かぼちゃはもうかぼちゃではなくなってしまった。何代にも渡る歴史を経て今の形を獲得したのに、星どもは何の断りもなく自分の形を押しつけたのだ。歴史を繙くまでもなく、これは種の尊厳を冒涜する行為である。侵略である。 彼らの狙いは無論野菜にとどまらない。次なる標的は人間のこどもである。こどもを「星」に変えてしまう一大スター化計画。ライジングプロダクションと手を組んでいるかも。(この項おわり)