ローソンが店頭にマルチメディア端末を設置するよりもはるか先にその名称を用いてきた「ロッピー」界の大御所がいる。コンビニおにぎりを思わせる形、ピザを思わせる箱内配列、「俺は3Pもやったことないのに…」と思わせる名前表記と好感度満点の雪印「6pチーズ」。今ほどチーズの種類がなかった頃、写真撮影時に思い出すのは間違いなくこれだったろう。

 この有名チーズの泣き所は個装アルミパックの開けにくさだった。銀紙内側についた赤テープを引っ張ってはがす機構だが、テープ幅が細いため、引っ張っても上面を切り裂くだけで、効果的な開きを生まなかったのだ。

 だが今では「開けにくさ」に過去形が付属する。2年ほど前からテープの軌跡に画期的な改良が施された。三角形の頂点から枝分かれした2本の筋が二等辺上を通り、テープを引っ張れば銀紙上面がまるごと持ち上がる仕組みになったのだ。海外で発明された技術を取り入れた成果らしい。三角形の形状を見事に活かしたトライアングルマジック。想像力があれば船木選手(スキージャンプ)の美しいV字飛行スタイルにも見える。スキー部自慢の雪印らしい素敵な趣向だ。(この項おわり)





次の回へ進む inserted by FC2 system