コカコーラの瓶が女性のくびれたボディーを表していることはよく知られている。いちいちドリンク瓶にまでセクシーを入れるなんてやっぱ肉食の国にはかなわん、とうなった男子も多いだろう。

 だが卑屈になることはない。日本にも女性のボディーを型どった名品がある。なめ茸だ。瓶を正面から見ればこれは大人の女の下半身だとわかる。フタ下のウェスト(コークほどくびれてはいない)から骨盤が張り出すように横に広がり、底に向かってなだらかに収束する……あたかも制服OLのヒザにかかるぐらいのスカート姿を思い出させる好ましいデザインなのだ。

 この形状でなければならない理由はおそらくない。しかし、普通の瓶に変えたら消費者から苦情が集中したのですぐ元に戻したというメーカーもあるほど、もうこの形はなめ茸と一体化している。なめ茸の瓶は日本セクシー容器界の巨星なのだ。

 コーク瓶と比べると日米の女性観の違いが浮き彫りになる。コーク瓶が胸まで表現しているのに比べ、なめ茸は胸を無視し下半身に表現を絞っている。アメリカ女性はバストが発達しているが日本女性はそれほどでもないということの反映だろうか。バストにそれほど惹かれない日本男としてはなめ茸に軍配をあげたい。名前のいやらしさもあるし。(この項おわり)




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