「生海老約23gを仕込みで使用」という誇り高い宣伝文の陰に隠れがちだが、えびっぷりのパッケージには画期的な機構が潜んでいる。

 ポイントはサイドに配された▼印と約1ミリの切り込み。ここを切り口にしてねという合図だ。なんだ、そんなの他の袋菓子だってついてんじゃん、と訝るのは早計である。えびっぷりにはこの切り込みが上下2カ所に用意されているのだ。

 上の▼には「@まずはここから開けっぷり」、下の▼には「A少なくなったらここを開けっぷり」とある。すなわち、菓子の残量に応じて開け口を変更するツーウェイ・イーティングが可能なのである。

 えびっぷりのツーウェイぶりは実はこれだけではない。切り込みは左右両側についている。つまり、表からでも裏からでも利き手を用いた自然なオープニングが可能なのである。

 これを画期的な開けっぷりと呼ばずして何を画期的な開けっぷりと呼べるだろうか。いや、呼べない。開けにくいことでは定評のあるポテチ系には見習ってほしい機構である。

「スナックは袋から直に口中へ流し込むのが醍醐味であり、その滑走距離は長いほどよい。従って滑走路を短縮する機構は不要だ」とする好事家も一部にいるが、その目は節穴だ。いやなら上の切り口だけ使えばよいということに気づかないのである。(この項おわり)


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