パソコンを独占する人類への警鐘か?
動物のサイズ別キーボードを開発した謎の男登場!

 総務部に1通の投稿が届いた。

「本当はこんなとこ出てるヒマないが友人が出ろ出ろと頼むんで出てやるよ。男に二言はない。俺はビル。日系さ。@驚く圧縮技術を発明したのさ。じゃ明日オフィスで。(O)遅刻すんなよ。忙しいから」

 こんな礼儀知らずな奴の言うことを聞くほど腰抜けじゃないぜ!と思わず日記に書いていた総務部だが、翌日彼のオフィスに遅刻せぬよう赴いたのは言うまでもない。

総務部●早速ですが、どんな圧縮技術を発明されたんですか?

ビル●フフ……実はあの投稿文にもヒントを隠しといたんだがな。

総務部●エッ? 

ビル●アッと驚くぜえ……これだ!(下の表を指さす)

総務部●アルファベットを○で囲み……(b)はビット、(c)はシット……ああ「@」を真似ただけですね。

ビル●天才には「鬼に金棒」でも凡人には「豚に真珠」か。時間がないから説明しよう。これは日本語表記を劇的に短縮する技術さ。例えば6文字の「チーズビット」。このままでは長くて「チーズ」と書いた時点でもう疲れて寝てしまうな(笑)。だが「チーズ(b) 」と書けば約67%に短縮されるわけさ。同じように「クローゼット」は「クロー(z)」、「コックピット」は「コック(p)」、「おっとっと」は「(o)(t)」となる。ここで問題。「腰が(q)くびれた(o)の愛人を(g)見つめて老妻は(c)した」の原文は?

総務部●えーと、「腰がキュッとくびれた夫の愛人をじっと見つめて老妻は嫉妬した」でしょうか。

ビル●(親指を立てて)イエース。単に文字数が減るだけでなく訴求

力の強い表現と気づくはずだ。ネット文化が根づいた現代では「@」は実に親しみやすいシンボルなのさ。本格的なビジネス展開を前に今は特許系の弁護士と相談中だ。無論個別にメーカーとも話しているがね。(o)少々喋りすぎたようだ。次の取材が入ってるんでこの辺で失礼。(窓を飛び越えて)あら(y)。

−−こう言い残すと彼はすぐに姿を消した。圧縮率があまりに小さいこと、圧縮できる語が少なすぎること、(n)が「ネット」なのに(m)は「ムット」など読み方に規則性がないこと、「@」以外はテキストデータにならず不便なこと、そして何より、こう言い換えて何が面白いのか、ということを問い正したかったが、ビル氏の退却があまりに@いう間の出来事だったため、聞けませんでした。(総務部)

注●文中の()のところには全て「ビルの@式圧縮言語」が使われていると思ってください。

↑サンプルのゴキ(j)プロを手ににやりとする投稿者。ビル氏が企業プレゼンに使っているというサンプルには、ポ(k)ティッシュ、す(r)茶、(b)イーンライオンなどもあった。どれもしょぼいが、最後のはもともと「ビット」でもない。(写真右上)



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