糸をピンと張り巡らせて社内LANを構築!

若きヤリ手社長の次なる一手とは?

 総務部に1通の投稿が届いた。

「あちょら(原文ママ)総務部様私は私で会社経営男。毎度毎度貴誌を購入しては目を開けては読んでおります。さて我が社でもインターネト(原文ママ)に取組中取組中。この度苦節3年にして社内LANの構築に大成功の巻。(中略)是非とも時代最先端環境取材熱望とぞ思い私は私でペンをとった次第。連絡待っております」

 書き間違え、意味不明なくり返し、妙な言い回し等に興味を覚えた我々は、早速手紙の主の会社を訪問してみた。普通のビル、普通の机、普通のOL…。文面とは対照的に、そこは普通のオフィスだった。出迎えてくれた菅沼清社長(30)も同じく普通の人だった。

総務部●意外に普通ですね。

菅沼●当然です。酔狂で仕事しているわけではありませんので。

 気まずい空気が流れた瞬間だった。「ジリリリン」。突然一人のOLがそう絶叫し、紙コップに向かってしゃべり始めたのだ。よく見れば机上には糸が。それは紛れもなく糸電話だった。

総務部●あれはもしかして…?

菅沼●(胸をはって)ええ、LAN構築の成果です。社内に糸を張り巡らせた結果、音声情報の共有が可能になったんですよ。

総務部●……音声だけですか。

菅沼●まさか。勿論画像もOK。写真にリングを通して送ります。

 その後菅沼さんは、糸は外部にも出ておりインターネットにも接続している、つなぎっぱなしの専用線である、糸にニンニクを提げているからウィルスも退散…などの自慢を聞かせてくれた。今後の課題については「受話用のコップと送話用のコップを分けて効率化を図ろうと思ってます」とのこと。他人の会社に口出しするつもりはないが、帰り際我々をじっと見ていた若い社員の淋しげな目は印象的だった。(総務部) 

↑立っているのが菅沼社長。糸をピンと張らないとダメだが、張りすぎると紙コップが破れる。加減が難しい
→OLは紙コップにプリクラや人形をつけたりして愛用。「こうでもしないと…ね」とA子さんは自虐的に笑った


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