●最近の佐々木には「ごんぶとい男」ってのも
 「セ・リーグのお荷物」、「横浜大洋銀行」と揶揄されたのも今は昔。昨季から引き続き今季も快進撃を続けた横浜。原動力は単連打が特徴の「マシンガン打線」だ。人間離れした力に一時は「もののけ打線」「バイアグラ打線」とも称された。前年最下位から優勝した60年は「知将」三原監督の「三原マジック」が効いていたが、「権藤、権藤、雨、権藤」こと権藤監督が指揮を執る今季は、魔術など使わずとも優勝マジック点灯だ。この稿執筆時(9/25)では優勝未決定だが、日本シリーズ進出を信じて今回は横浜関連の異名集。

 やはりベイといえば「ハマの大魔神」佐々木。日刊スポーツがオープン戦で付けたこの異名は、その後多くの亜流を生んだ。コメディアン・大宮デン助に似ているため「デンちゃん」とも呼ばれる同僚・五十嵐は「ヒゲの大魔神」。阪神のリベラはその色から「黒い大魔神」。ファイターズのシュールストロムは全身ハムでできている魔神とも解釈できる「ハムの大魔神」。広がりは人間界を越え、JR横浜駅東口地下には「ハマの大魔神社」なる神社もできたほど。

 「ハマの○○」パターンも多い。肝機能障害を克服したリーゼント投手・三浦は「ハマの番長」。「ハマの核弾頭」は波留(今年は兼「ハマの脱税男」)。「ハマのイチロー」は鈴木尚。2年連続首位打者でも亜流では可哀想。「ハマの貴公子」は石井琢で「ハマのいてまえ」は元近鉄の中根。横浜に限らず野球に限らず必ず出てくるこの地名付き異名。地元ファンが親しみを覚えやすいのが人気の秘密か。

 屋鋪・高木・加藤の「スーパーカートリオ」、田代の「オバQ」、「ミスターマリオ」ポンセ、「ライオン丸」シピン、「ハゲ大砲」マーチン、「曙のいとこ」マイヤーと昔は愉快なのも多かったが、こうして見ると今年は異名的にはおとなしめ。そんな中、「元祖満塁男」こと駒田には、プロ野球史上5万5000号、同7万号と2回も記念本塁打を打ったことから「ミスター・メモリアル」の称号がついていて特筆すべき存在。NHKの松平アナが自慢げに言うことだが、「メモリアル・パーク」が共同墓地であるように、この「メモリアル」は単なる「記念」というより「死者の追悼」の意味で使われているらしいのだ。もっと言えば「位牌=死者の戒名を書いた木の札」って意味も。「ミスター位牌」とはさすが駒田。ストライクゾーンも異名も他選手とは違う。

高井ジロル●その出身地方と容貌から「北海のウマヅラハギ」と異名をとる練馬区民。ジョアではオレンジが好き。
(FROM A thursday 10/15)



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