そんな声が反映されたか、今のフィルムは格段に開けやすい。ひもを廃し、フィルムそのものをつかんでべりっといけるようになったのだ。そこには、日焼けした肌から皮をはがすあの快感が忠実に再現されている。快感界の重鎮・プチプチ梱包材の好敵手としてノミネート済みである。
で、マクセルUDである。CGで作り上げた意味ありげな球体をメインビジュアルに据えたパッケージは、イメージ重視のカセット界の通例にならい、全体としてはクールを志向したデザインを採用していると言える。
が、そんなパッケージの側面に「むくどり君」。くちばしの方向に引くんだそうだ。ついひと工夫入れたくなった担当者の姿勢は応援したい気持ちでいっぱいだが、これを使うよう言われたデザイナーの心は少々ほろ苦かったのではないか。
意外なことに「むくどり君」の同類は他社製品にも生息している。見かけたら絶滅前に保護しておくことを薦める。(この項おわり)
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